第十四回白秋会吟行句会開催
 白秋会幹事 中島勝彦

 第十四回白秋会吟行句会は、二十四年十一月二十七日(火)参加者十一名によって行われた。まずは王子駅に集合、今日は好天気とて予定を変更して駅近くの高層ビル「北とぴあ」の展望ロビーに昇った。大きなガラス窓からは秋晴れの東京の町が広がり、遠くに筑波山がくっきりと見える。回廊をぐるりと回れば雪をいただいた富士の雄峰が丹沢の山並の上に浮かんでいた。
 音無親水公園の小さな渓谷は冬の水枯れに流れは見えず落葉の中に埋もれていた。その近くにある飛鳥山は吉宗時代からの桜の名所だが、この季節は人影が少なくわずかな紅葉が目に沁みる。
 公園近くの小さな停留所から乗った都電荒川線のレトロな路面電車は両側の家並に触れるかのように走る。隣席のお年寄りたちと和やかに歓談する間もなく下車駅の庚申塚に着く。さっそく浮世絵の江戸名所図にも描かれた庚申塚を拝んだあと、ここから先の巣鴨駅までの地蔵通りは「お年寄りの原宿」とて老齢の方でにぎわっている。考えてみれば私達もその年齢に近く、吾ら姿も町の景色にしっくりと収まっている。 とげぬき地蔵で有名な高岩寺に着く頃は日が陰り寒気がつのって来た。その小さな境内は香煙が流れ、お参りをする人々の行交う影をとおして庶民下町の雰囲気が漂ってくる。
 その後駅前の居酒屋「坐和民」で句会が開かれた。高得点の結果は左記である。 どの句も今日一日を一緒に廻り、感じたことを心をこめて詠んでいる。同じ時間に同じところを見て来たのだという一体感の中、互いの句に共感し、感動し、句会は和やかに進められ、懇親会に移った。





冬日和富士も筑波も手の中に
冬うらら五色散りばむ飛鳥山
冬の日や慈悲受く老いの稚児の顔
冬日燃ゆ香煙くゆる高岩寺
神殿へ銀杏落葉の石畳

小林空山
佐藤日月子 
松本正二
稲葉峻山
松本正二