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第19回白秋会吟行句会を「子の権現」で開催
平成27年6月4日

 第19回白秋会吟行句会は、前飯能市長の澤辺さんのお世話になり、1100年前に創建され、足腰守護の神仏として信仰されている古刹「子の権現天龍寺」を訪れた。6月4日、17名という今までにない多くの参加者は飯能駅と東飯能駅から2台の車に分乗し出発、昨日の雨が嘘のような青空の下、飯能市街を抜け、山里の川沿いの道を上っていくと次第に山の緑が濃くなってくる。やがて深い杉木立の崖道となり、急坂を幾曲り、ぱっと空が開けたところが「子の権現」の入り口である。ここは秩父連峰の端にある山頂、見下ろせば緑に輝く奥武蔵の山々の向こうに霞む市街が、そのはるか先にはスカイツリーの姿がマッチ棒のように見える。
参道の山門をくぐると巨大な二体の仁王像に迎えられ、その奥に江戸時代に建てられたという茅葺の本坊が見える。私たちはその本坊と渡り廊下でつながれた客殿に案内され、緑の谷風が吹き抜ける気持ち良い夏座敷で、澤辺さんから当山のご住職を紹介され、寺院の由来と境内の見処をご説明いただいた。その後、山内を各自思い思いに吟行、本堂を、県の天然記念物の二本杉を、そして日本一大きな鉄の草鞋を見、奥院の見晴らし台へ上り、四方に広がる万緑の山々を見渡す。ほぼ一時間、句材を拾った私たちは座敷に戻り、お寺が用意してくれた精進料理をいただきながら、二句出句し、そのまま句会へと移った。結果は別記である。句会が終われば般若湯を飲みながらの表彰式。今回初参加で初めて俳句を作るという澤辺瀞壱さんの句が高得点をとり、皆から大拍手を受けた。
 まだ陽が高い中での般若湯は身に回る、霊山での葷酒はほどほどに、種々ご配慮いただいたご住職にお礼を申し上げ、私たちは再び車に分乗し、飯能の町へと山を下った。

 


地 

(白秋会主宰 中島勝彦)

中島勝彦
木宮邑雪
渡辺秀雄
小林空山

四方の山鎮もる古刹青葉風
万緑や武蔵野台地掌のうちに 
万緑に総身染めて仁王像
護摩焚きし木下闇の仁王かな

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