白秋会吟行句会を「小江戸川越」で開催

渡辺秀雄
稲葉峻山
中島勝彦
斎藤栄喜
鈴木光年
澤辺瀞壱

冬隣五百羅漢や肩を寄せ
馥郁と五感揺さぶる菊花展
屏風絵の余白へ及ぶ庭明り
秋深し浸る小江戸に人の波
寒空に影絵のごとし蔵の街
秋深し何を話すからかん様

第20回白秋会吟行句会は27年11月11日に「小江戸川越」で開催された。参加者は14名、川越駅に集合後、「小江戸巡回バス」に乗り、まずは最初の目的地である830年に創建された古刹「喜多院」に向かった。
境内には重要文化財の山門、客殿、書院などが立ち並び、山門近くではちょうど「菊まつり」が開かれていて、ウイークデーとしては沢山の賑わいを見せていた。本殿前で全員の記念写真を撮った後、本堂へ入館、小堀遠州流・枯山水書院式曲水の庭を眺めつつ、徳川家光誕生の間や春日局の化粧の間を巡る。
廊下や襖に区切られた部屋々々に置かれた調度類、特に江戸時代の食器や収納筐そして家光が遊んだ玩具など、将軍家の暮らしぶりが興味深い。
続いて境内の奥の一画に立ち並ぶ五百羅漢像を見に行く。1700年後半から作られたという羅漢さんは全部で五百三十八体。笑い、泣き、怒り、眠り、と様々な表情のまま苔むす姿に、彼らの過ぎ来し250年という長い年月を思う。これらの像の中に自分に似た羅漢が一人いるというが、探すにはとても根気が続かない、というより時間が足りない。
また巡回バスを乗り継ぎ、次の目的地「蔵の街」へ向かう。バスの遅れで吟行の時間が足りず急ぎ足になった。「時の鐘」を背景に写真を撮り、蔵づくり通りを抜けて菓子屋横丁へ。次第に日が陰りはじめ、人通りも少なくなってきた。この春に火災にあった菓子屋横丁の一角はまだ更地のままだった。
澤辺さんが、横丁にある伯母上の実家だという一軒のお菓子屋さんに立ち寄り、私たちみんなにお土産として名物の飴を買ってくださった。
ここで今回の吟行は終わり、再び今日最後の巡回バスに乗り、川越駅に戻る。巡回バスの大幅な遅延もあり、やや疲れていた私たちは、駅前の今日の会場である「庄や」の奥まった静かな部屋に座し、ほっと息をつく。早速の乾杯、そして鍋料理を囲みつつ、句会が開かれた。2句出句のあと互選、その結果は上記である。活発な合評そして、表彰式を行いつつ、飲み放題のお酒と暖かな料理に、歓談はにぎやかに続いた。