能楽を観る会

第十九回「能楽を観る会」に参加し、その雑感

白門三九会 九里 芳樹 (理)

観世能楽堂で初めて能楽をみました。今まで観る機会もなく、知識もなく漠然とした能の舞を想像していましたが、謡いとお囃子方(小鼓、大鼓、太鼓、の打楽器とそして笛)との競演が能舞台に重厚な響きをもたらし、引き込まれました。
当日の演目は能「通小町」、狂言「棒縛り」、そして能「三輪」の3番でした。「通小町」について、ご存知深草少将が小野小町へ百夜通いする物語りです。深草少将は小野小町を慕って通い続けましたが、九十九夜目に思いを果てせぬまま死んでしまったのです。純粋で一途な男心のけなげさは、泣けてきます。その後、共にお浄土の世界へ行き、少将は恋の怨霊として現世に現れ、また小町は成仏できずに漂っていました。僧侶(仏)の導きで百夜通いを再現させ、懺悔し、小町ともども授戒させ、共に成仏出来たというお話でした。 
能の舞が演技であるといいますが、なかなか難しく理解するには、ほど遠く、時には意識を失って心地よい眠りを誘いました。しかし謡いとお囃子の競演が神仏の心を奏でる様で、純粋さと純朴さが心に響き伝統の深みを感じました。久しぶりに伝統芸能を観させ頂き心が洗われた様でした。

平成十九年十二月九日(日)午後1時 澁谷観世能楽堂にて